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海外出張報告

出張者 : 研究開発部 応用技術支援グループ 主査 小西靖之

訪問先 : ミラノ(イタリア)

日 程 : 平成25年5月31日(金)~6月7日(金)
11th International Conference of Chemical & ProcessEngineering (ICheaP-2013)に参加し、函館マリンバイオクラスター事業の成果の公表を行うと共に関連技術の技術調査を行いました。函館マリンバイオクラスター事業の成果の公表は、6月4日に行われたFood セッションにおいて「Oscillating Self-organization  of Hydration Water in Foods Derived by a Forced Temperature Cycling」のタイトルで乾燥食品の新しい製品設計技術の構築を目的に、食品内の水分種をプローブ分子として、食品温度変化時のプロトンNMR測定により食品中水分種や食品特性を評価出来ること、これらの結果の製品設計への応用について口頭報告しました。聴衆者からは、評価結果の食品加工への具体的な応用性、最適操作における食品水分種の役割などの様々な質疑があり、関連研究者からも注目されました。また、関連技術としては、ポスターセッションでも食品工学関連の報告があり、食品の機能性成分の食品加工工程での変質や量的変化の評価報告、食品原料の保存温度の機能性成分や品質への影響評価の報告が多数あり、評価技術などについての情報を得ることが出来ました。これらの関連技術は今年度の取り組みに一部反映させる予定です。

 

 

【報告内容の要約】

食品の乾燥工程や食製品の設計では、食品中の水の状態が重要であり、その食品中の水の評価方法について取り組んでいる。特に食品の乾燥工程では、食品の水分の減少に伴い食品中水分の特性はダイナミックに変化する。本報告では、食品中の水の状態特性評価に適しているNMR相関というパラメータを用い、様々な食材(イカ、鮭、イワシ、ホタテ、畜肉(ポーク・ビーフ2種))の温度変化(-30℃~30℃の範囲で行った)時のNMR相関時間の測定・解析より、食品中の水分特性を把握できること、その水分種特性が食製品の設計に有効であることを報告した。

(これらの結果は、マリンバイオマスを利用した麺製品などの食品設計やマコンブ等海藻乾燥物の風味設計に応用し製品設計を行っている。)

(写真)ポスターセッションの様子