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平成24年 6月号

こんなことができます

目視による微細な構造、組織の観察と観察像の記録ができます。

生物顕微鏡

基本使用料(最初の1時間)5,400円、2時間目以降480円/時間、試験依頼による観察像の証明手数料(顕微鏡組織観察 1視野1件4,150円、1視野増すごとに2,750円)

光学顕微鏡のうち、正立双眼位相差顕微鏡を紹介します。位相差顕微鏡は、観察試料の屈折率の差を強調する位相差光学系を備えるので、水との屈折率の差が小さい生物試料の観察に好適です。通常の光学顕微鏡での観察とは異なり、試料の染色操作を省略できる特徴があります。対物レンズに×4~×100までの5本を備えています。本機器は通常の試験研究機関や民間企業でも相当数の普及が進んでいます。照明はケーラー照明と呼ばれる光学系が組み込まれ、均一な試料の観察が可能で、写真に記録することができます。
当センターでは、この写真観察像を成績結果として証明する試験依頼を受けています。食品加工関連会社からの異物検査やカビの菌糸の確認など衛生関連検査で活用されています。

※生物顕微鏡の活用に関する課題解決のご相談は、食産業技術支援グループ青木までご連絡ください。 電話 (0138)34-2600

(写真)生物顕微鏡

トピックス(H2406)

平成24年度北海道立工業技術センター研究成果発表会開催

5月17日(木)ロワジールホテル函館で工業技術センター研究成果発表会を開催しました。三浦センター長の開会挨拶に続き、企業や大学との共同研究などの成果8題を発表した他、クルマバソウアイスクリーム、八雲町ブランド味噌、タマフクラ、しゃぶしゃぶ昆布の試食、試作品や開発事例のパネル展示を行い、来場者の皆様からたくさんの貴重なご意見をいただきました。今後の研究開発の参考とさせていただきます。引き続き開催した交流会でも産学官の参加者が情報交換等行いました。

発表演題と発表者は、下記の通りです。

1 ウガノモクの簡単な脱ヒ素加工の技術開発
青木 央 (食産業技術支援グループ)

2 ホソメコンブの高鮮度保持技術の開発と商品化例
木下 康宣(食産業技術支援グループ)

3 ヒト血糖値上昇抑制効果を有するだったんそば麺の開発
大坪 雅史(食産業技術支援グループ)

4 クルマバソウを利用した乳製品の開発
鳥海 滋 (食産業技術支援グループ)

5 X線を利用した材料の分析と活用事例報告
下野 功 (ものづくり技術支援グループ)

6 乾燥農産物の風味及び製品色の定量的設計技術の開発
小西 靖之(応用技術支援グループ)

7 放電プラズマ焼結法を用いた超硬合金の作製と製品への応用
高橋 志郎(ものづくり技術支援グループ)

8 無機EL発光シートの三次元成形及び性能評価
菅原 智明(応用技術支援グループ)

(写真左)成果発表会の様子(写真右)多くの人で賑わった試食コーナー

海外出張報告

出張者:専務理事     猪飼秀一
研究開発部 部長 宮原則行
研究開発部 応用技術支援グループ 小西靖之
研究開発部 食産業技術支援グループ 木下康宣
研究開発部 食産業技術支援グループ 清水健志
訪問先:台北市 基隆市 (台湾)
日 程:平成24年3月5日~平成24年3月8日

研究交流協定を締結している台湾海洋大学の研究者と研究交流、日台間の貿易事情や市場・技術ニーズ調査、函館マリンバイオクラスターの研究推進を図る事を目的に台湾を訪問しました。
台湾海洋大学では、当財団の業務及び函館マリンバイオクラスター事業の取り組み内容への理解を深めてもらうと共に、乾燥・判別・流通技術などについて有意義な議論を行うことができました。台北市日本工商会、聯和徐購有限公司、新光三越、雙連市場を訪れ、貿易事情調査、物流環境・技術ニーズ調査、市場調査を行い、台湾・日本国内とのネットワークの広さ、日本と同等の物流環境が整備されていること等を知ることができました。また生鮮・冷凍水産物の流通で必須となる保冷システムの発達や個配ビジネスの発展性も感じ、今後のマーケットとして有力であることを実感し、大変有益でした。

(写真左)台湾海洋大学での研究交流(写真右)雙連市場で売られているイカの様子

出張者:研究開発部 応用技術支援グループ  小西靖之
訪問先:パリ
日 程:平成24年4月23日~平成24年4月28日

International Conference on Food Engineering and Biotechnology(ICFEB2012)に参加し、函館マリンバイオクラスター事業の成果の公表を行うと共に関連技術の技術調査を行いました。
ICFEB 2012は、食品工学及びバイオテクノロジー関連の国際会議で食品工学に関する報告も多数行われます。函館マリンバイオクラスター事業の成果の公表は、4月25日のFood セッションで「Visualized Characterization of Molecular Mobility for Water Species in Foods」のタイトルで、様々な食品の脱水工程中の水分種状態動特性を-30℃~30℃の範囲で強制的な温度変化操作を行ったときのNMR相関時間を指標に評価し、食材ごとの特徴付けを行った評価技術の報告を行いました。聴衆者からは、評価結果の食品加工への具体的な応用性、食品水分種の束縛性と品質の相関性、食品品質の評価方法などの様々な質疑があり、関連研究者からも注目されました。また、関連技術としては、農産物を中心とした乾燥温度、保存温度の機能性成分や品質への影響評価の報告が多数あり、評価技術などについての情報を得ることが出来ました。これらの関連技術は、今年度の取り組みに一部反映させる予定です。

(写真)国際会議の報告会場

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お知らせ

函館マリンバイオフォーラム&フェスタ2012開催

函館地域では、水産・海洋科学のグローバルなイノベーションの創出により、多様な産業に波及し国際競争に打ち勝つ持続可能なマリンバイオクラスター形成を目指し、文部科学省の地域イノベーション戦略支援プログラム(グローバル型)を実施しています。フォーラムでは、函館マリンバイオクラスターのこれまでの研究成果と事業展開についてご紹介します。

多くの方のご参加をお待ちしております。

【日時】       平成24年7月23日(月) 〈フォーラム〉13:30~17:00
〈フェスタ〉   17:20~19:00

【会場】       函館ロワジールホテル   函館市若松町14番10号

【お問い合わせ】   (公財)函館地域産業振興財団 函館マリンバイオクラスター事務局
℡(0138)34-2600   FAX(0138)34-2602
E-mail : marinbio@techakodate.or.jp

■■■函館マリンバイオクラスターの概要はこちらから■■■■■

「平成23年度北海道立工業技術センター業務報告」が完成

北海道立工業技術センターの平成23年度の活動状況をまとめた「北海道立工業技術センター業務報告書」ができました。若干の残部がありますので、ご希望の方はご連絡ください。

無料で提供しています。

【お問い合わせ】(公財)函館地域産業振興財団 総務部総務課 ℡(0138)34-2600

工業技術センターでは個別技術研修を行っています。

企業などの技術的課題の多様化に対応するため、個別密着型で、かつ、技術移転を重視した個別技術研修を行っております。食品の加工・品質評価、工業材料・部品等の試作・評価、測定・試験用機器の活用方法などの個別的な技術ニーズに対応しております。

【開催日】随時

【場 所】北海道立工業技術センター

【受講料】無料

(写真)個別技術研修の様子

【お問い合わせ】(公財)函館地域産業振興財団 工業技術センター研究開発部
℡(0138)34-2600

JKA(競輪)補助事業導入機器のご紹介

【JKA(競輪)補助事業】により導入した試験分析機器を、地域企業や起業を目指す方に広く開放していますので、ご活用ください。

■■■詳しくはこちらから■■■

工業技術センター見学の申し込みを随時受け付けしております。

【お問い合わせ】公益財団法人函館地域産業振興財団

企画事業部企画調整課  ℡(0138)34-2600

(写真)北海道立工業技術センター展示ホール

※共同研究・技術相談成果品・がごめ関連商品等多数展示しております。

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平成24年度事業計画から

平成24年度事業計画から

北海道立工業技術センターでは、地域企業の技術の高度化や新製品の開発を支援するため、研究開発、試験分析、技術相談、研修、技術情報提供、広報、函館地域産業化支援などの事業を行っています。
今回は、平成24年度実施予定の事業計画の中から研究開発事業、函館地域産業化支援事業及び研修事業のテーマをご紹介します。

研究開発事業

分  野 研究開発テーマ 研究の概要 実施年度
機械電子技術 食料品製造業における工学的インプルーブを適応した自動化に関する調査研究 少量多品種生産が多く生産効率を考慮した包括的機器等の検討がされていないという食品製造業の生産性向上に関する問題点を、工学的側面から解決するために、主に水産食料品製造業を対象として、生産品に関連する製造工程を中心に、工学的インプルーブを適応した工程の自動化実現に向けた検討を行う。 H23~25
水産・海洋産業向け水中無線通信技術の研究 低コストで産業応用が可能な水中用情報通信技術の製品化を目指し、主に光を利用した安価な手法による通信モジュールを試作するなどして確認実験を実施し、水産業での様々な産業応用について検討する。 H22~24
材料技術 機能性加工工具材料の開発 既存の超硬工具が抱える問題点の解決を目的に、これまでに開発を行ってきた機能性耐摩耗工具材料を発展させた刃物材料の設計・開発を行う。材料製造プロセスには、これまで培ってきた粉末冶金に関する技術を更に発展させて適用し、最終的には実際の加工工具の開発・製造を行う。 H24~26
バイオマスを利用した高分子材料の開発 バイオマスからバイオエタノールへの変換などのアルコール製造の研究が広く行われているが、エネルギー収支的にはより高付加価値な変換が必要となる。そこで、道南圏のバイオマスについて調査し、バイオマスの変換技術を確立し、バイオマスの高分子化技術を開発する。 H23~25
プロセス技術 真空技術による半導体薄膜の低温成膜プロセスに関する研究 機能性半導体材料として硫化亜鉛系、酸化亜鉛系材料を選び、工業的に重要な成膜法であるスパッタ法を用いて成膜を試みる。成膜した試料の構造解析や電気的・光学的特性測定結果から、薄膜や成膜プロセスを評価し、低温成膜への応用の可能性について検討する。 H24~26
食品加工プロセスにおける品質評価手法に関する研究 海藻などを添加素材として用いた新規食品の開発では、添加素材の加工特性の把握が重要である。そこで、麺・菓子・パン類など、その応用範囲が広い小麦粉素材に海藻類が添加された新規商品を想定し、それらの加工特性・製品特性などを水分種状態を指標として検討し、評価手法の構築を目指す。 H23~25
バイオ     テクノロジー 食品の微生物制御に関する研究開発 食品の微生物制御技術は抗菌性物質、水分活性コントロール等、様々あるが、単独で適用した場合の効果は概ね低い。そこで、ハードルテクノロジー理論に基づいて、食品の各種の微生物制御技術の複合化を行い、特にready-to-eat食品の微生物制御効果の向上を図る。 H23~25
地域農水産資源の機能性探索に関する研究 地域に特徴的な農水産資源(食品素材、加工品・加工副産物、未利用資源等)を調査し、機能性研究による高付加価値化が見込まれる候補素材を選定する。候補素材を対象としてin vitroの各種生理機能性評価を行うことにより新たな機能性の探索を行い、機能性に特徴を持った食品の開発を目指す。 H23~25
食品技術 地域伝統食品の品質向上に関する研究開発 イカ・昆布など、素材の異なる地域伝統食品について、それぞれに適した迅速な微生物学的品質評価法を開発するため、DNA抽出などの試料調製法について検討する。また、従来の加工方法について、原料比や熟成の期間・温度などと微生物学的品質との関連についてDNA分析法を用いて調べる。 H23~25
地域消費型農水産資源の利用に関する研究開発 地域における多様な水産資源の漁獲流通状況を整理し、栄養成分や保存特性の特徴を把握すると共に、地域差や季節変動の情報を得、その特性を活かした利活用法を探る。 H24~26

 

地域産業化支援事業費

分 野 研究開発テーマ 研究の概要 実施年度
食品技術・バイオテクノロジー 発酵技術による低利用水産資源の高付加価値化に関する研究開発 他種と比べて味や食感が劣るため利用度が低い魚介類(ツガルウニやビノスガイなど)を素材とした高付加価値製品開発を目的に、素材の品質改変や地元企業への技術導入が容易な発酵技術を利用することで、素材ごとの発酵特性や発酵前後の品質特性を把握し、呈味性・保存性・機能性の向上による付加価値化を図る。 H23~24
材料技術 超微粒子超硬材料の製造技術と製品化に関する産業化支援研究 地元企業が有する真空技術、焼結技術などを発展させて超微粒子超硬材料焼結体を作製し、この焼結体から微小穿削工具、高耐摩耗金型、超精密金型、超高圧流体噴射ノズルなど様々な製品への応用展開に必要となる加工技術の検討を行うことで、超微粒子超硬材料製品化技術を開発する。 H23~24

 

研修事業

区 分 分 野 テーマ 定員 実施時期
一般 短期 共通 研究成果発表会 100名 5月17日
食品技術 第4回食品技術研修会 40名 9月
機械電子技術 計測制御技術研修 20名 9月
バイオテクノロジー 第11回食品・バイオ技術講習会 30名 9月
プロセス技術 先進技術を応用したプロセス開発(真空関連) 20名 11月
実技 材料技術 材料技術研修会 10名 2月
個 別 共通 5分野 × 10回 随時

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