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有限会社 バイオクリエイト

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町おこしから始まったベンチャー企業

 有限会社バイオクリエイトは、以前から親交のあった函館市内の異業種3社、水産卸業の株式会社道水社長、高野元宏氏、食品添加物卸の株式会社中山薬品商会社長 中山一郎氏、水産加工品製造業のマルキチ食品株式会社会長 金子宏氏らが協力、平成16年に設立されたベンチャー企業。函館の未利用水産資源を活かし、新函館ブランドの特産品を育て、地元での商品開発・製造加工・販売を実現、函館をもっと盛りたてようという熱い思いが出発点という。
 新会社設立のきっかけは、3氏が参加している北海道中小企業家同友会函館支部「函館昆布研究会」での“昆布”をテーマにした製品開発を模索する学びの場。ここで北海道大学水産学部の研究者との出会いがあり、文部科学省の「都市エリア産学官連携促進事業」の一環として共同出資・設立する運びとなった。
 
*都市エリア産学官連携促進事業
公的機関が産業界と大学の連携を積極的に進めることで、経済競争力の向上、新産業の創出・育成、科学技術創造の実現を目指すことを目的とする事業。

産官学の連携で商品開発に成功

 商品開発のシーズを探す中、函館・道南のみに生息する固有種の昆布「がごめ昆布」の健康パワーに着目。地元では昔から昆布の納豆と言われるほど、その粘りは強く、とろろ昆布や松前漬の原料として使われてきた昆布だ。この特有の粘り成分には、食物繊維の一種フコイダン、血圧抑制・免疫機能活性化を促すラミナラン、塩分を排出する効果があるといわれるアルギン酸カリウムが豊富に含まれていることが分かり、昨今は健康食品として注目を浴びている。また、ぬめりが特徴の増粘多糖類「天然に存在する増粘安定効果 (とろみや粘りをつける) のある糖類」は、天然の保湿成分として、美容業界などからも注目を集めている。
 同社ではまず、がごめ昆布のぬめり成分を生かした商品開発に着手。北大の研究者、道立工業技術センターの協力のもとで試行錯誤を繰り返し、商品開発・製品化に成功。平成16年12月、その第一弾として、保湿ローション「アクアスト」と栄養補助食品「ラミネスト」の販売を開始した。翌年には、ジェル状にして保湿効果をより高めた「アクアスト」モイスチャークリーム、さらにがごめ昆布の有効成分を豊富に含み、まろやかな味で料理やドリンクに利用できる「がごめ黒酢」を新発売。北大や道立研究機関の支援・協力に加えて、函館市からも研究補助金を受けるなど、函館地域独自の産学官連携のベンチャー企業の先鞭としての期待も大きい。

函館発新ブランドを全国に広めるために

 化粧品の「アクアスト」シリーズ、健康補助食品の「ラミネスト」、「がごめ黒酢」を販売している同社の当面の課題は「商品を市場へ浸透させること」と株式会社道水の総務課長でバイオクリエイトも兼任している小西英樹さん。当初は、市内で店頭販売をしてみたが、知名度が不十分なためか、販売数は予想を下回ったという。北海道外での知名度を上げるのが必要と感じ、通信販売も行えるホームページも立ち上げた。首都圏ではチラシの配布等も行っている。その効果もあって最近は化粧品を中心にリピーターも増えつつあると言う。
 今後は、ラジオやテレビショッピングでの販売や、広告宣伝などを積極化し知名度向上に結び付けていく予定だ。

より地域性豊かで安心な製品づくりを目指して

 現在扱っている商品に続いて、「アクアスト」シリーズでの洗顔料や、シャンプー・リンスなどの新商品の研究・開発も進められている。さらに無添加化粧品など購買者のニーズに応える製品作りに取り組んでおり、消費者モニターの意見から「アクアスト」のパッケージをよりシンプルな"海と波のイメージ"に一新。また、「アクアスト」専用ホームページを立ち上げ(平成19年1月)購買層の拡大に努力している。
 また、肥満の原因である白色脂肪を減少させる海藻の成分に着目した北海道大学水産学部の研究者と共同で、この海藻に含まれる脂溶性成分を利用したボディケア商品の研究・開発を進めているところだ。今後も、地元特産品を原料にするコンセプトはそのままに、がごめ昆布に続く他のあらたな道南産の原材料を活用して化粧品に特化した商品開発を進めていくという。
 さらに現在は、製造を本州の企業に外部委託しているが、軌道に乗れば自社工場での製造も視野に入れるという。地場の強みを存分に活かし、研究機関と連携を密にして、メンバー企業での研究・開発を盛んに行い、より地域性豊かで安心な製品作りを目指していくという同社の将来に、期待は大きい。


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