原料から販売まで一貫管理
昭和39年1月、東京都杉並区に珍味加工食品販売会社のマスヤ食品としてスタートした株式会社ジョッキは、会社創立以来、イカを主体に魚介や畜肉、練り製品などの珍味類を製造・販売している食品メーカーだ。創立後、まもなくして練馬区上石神井に本社を移転し、昭和57年には現在の社名に変更。平成2年に第二次加工と梱包のための埼玉工場、平成8年には、イカの街・函館に第一次加工を担う工場を設立。原料の産地・品質、製造工程、製品が届くまでの全てにこだわりを持ち、一貫した管理体制の下、高品質で美味しい商品づくりを続けている。
全ての工程を自社で行うからこそしっかりした管理ができ、本当の意味でのオリジナルだと考えるからだ。そうしてつくられる商品は200種類以上にもなる。
品質管理の徹底
おいしさはもちろん安全で安心できる商品を提供し続ける企業を目指すジョッキでは、消費者の食への関心が高まる昨今、現在では食品メーカーにとって必須条件となっている食の安全に関して、業界内でも早い時期より自社に検査体制を導入し、原材料から商品になるまでの各工程において品質の検査を行い、衛生管理に徹底して取り組んできている。函館工場を見ても、工場規模に対して一般的に考えられる検査設備以上のものを有しているのは、そうした取り組みの表われである。
また、商品の本源でもある原料の品質にも厳しいこだわりを徹底している。素材の持つ本来の旨みを味わって欲しい、そう考える同社では、極力添加物は加えていない。素材の味を引き出す独自製法で、味付けを工夫しているそうだ。そのためには、良質の原料を常に確保しなくてはならない。長年培ってきた知識と経験から、北海道産の原料が味も質も最高という。
さらには、原料の品質の見定めや、安定した買い調えには手を抜けない。また一方では、自然の恵みを原料として商品展開していることから、事業活動と一体化した環境保全活動にも努めている。
このような同社の商品製造に対して真摯に取り組む姿勢、高い技術力と安全性、そして味わい豊かな多彩な商品群が認められ、今では日本全国の量販店や酒販売店をはじめ、全国のセブンイレブンの約6割の店頭に並ぶようになった。
変化する満足度を追い求めて
消費者の好みは千差万別、常に移りかわるニーズに応えられるよう、広い視野をもって時代の傾向を察知し、過去の実績の分析、食品業界の動向リサーチ、社外提案モニターの設置、協力企業とのコミュニケーションの円滑化など、様々なプロセスを重ね、消費者に支持される、満足度を高める商品開発に取り組める組織づくりに力を注いでいる。
加えて、基本的な人材育成は当然のことながら、この業界こその味や香りなど食に対する社員の感性を磨くといった教育も行うなど、商品研究開発のための新鮮な企画提案ができる環境づくりを実践し、会社の活性化を図っている。
あらたな商品へ
「おつまみ、珍味といえばお酒のお供というイメージが強いが、今後は自由な発想で様々なジャンルの商品を開発、提供していきたい。」と開発担当者は語る。
道立工業技術センターの協力の下、高品質の水産物乾燥食品を製造する乾燥技術の研究開発を行っていたことが縁となり、バイオ産業クラスター事業へ参加。異業種との交流によって広く情報を得られ、データ分析など今まで以上に科学的見地から研究開発にアプローチできるという。良い勉強の場を持てたことで、定番商品の改良はもとより、あらたな商品開発に繋げていきたいと抱負を語ってくれた。
今後もジョッキの味への追求は続く。
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