技術で地域に貢献するために
株式会社ノース技研は、昭和46年に森林土木設計を主体の株式会社布村測量設計事務所として創業。以来時代の変化に対応して、用地測量、建設コンサルタント業務、環境調査業務、情報分析・処理業へと様々な分野に業務を拡大。
平成7年5月、株式会社ノース技研に名称変更。「技術で地域に貢献する」を基本理念に、今まで培ってきた技術で地域を豊かに、便利に、そして安全にするため、電子化が進み多様化する社会のニーズを予見し、常に技術向上へのこだわりを持ちながら日々研鑽を積み、たゆまぬ前進を続けている。
先を予測する分析業
道路や河川、宅地等の調査設計、用地測量、GPS基準点測量など、土木技術を中心に、開発・防災・環境保護等に関して、調査・計画・設計・施工、更にはシステム開発と、公共事業を中心に、多岐にわたって街づくりに携わっているノース技研にとっては、現在、環境への配慮・共生、コスト低減は欠かせない視点だと代表取締役社長の布村重樹さんは言う。 環境をなるべく壊わさず保持できるよう、生息する動植物への負荷軽減のための生体調査をし、周辺の大気汚染、振動・騒音被害を検証、より良い結論を導き出すまで、様々な視点での科学的調査・分析を何度も繰りかえす。そうして、総合的な知識を活かし、科学的根拠に基づいた分析結果から、被害・損害を最小限におさえ、低コストで対応可能な工法・技術の提案を行う。そして今、ノース技研は、道南地域では数少ない総合建設コンサルタントとしての地位を確立している。
地域の活性化の新たな取組み
ノース技研では、さらなる地域貢献のために長年培ってきた経験とノウハウを活かしたいと考え、「はこだて観光情報学研究会」など地域活性化の様々な活動にも積極的に参加している。文部科学省の都市エリア産学官連携促進事業の一環、北海道立工業技術センターと共同のガゴメ昆布の有効活用の研究もそのひとつだ。
ガゴメ昆布特有の強い粘り成分、粘性多糖類の新しい用途の研究・開発を進める中、子供の頃に海水浴で水中眼鏡のくもり止めに海藻のぬるぬるをこすり付けていたことがヒントとなり、既存する化学合成によって製造される曇り止め剤に代わるものになるのではと提案。研究の結果、他の藻類と比較してもガゴメ昆布のフコイダンがよく水と馴染む、特筆すべき超親水性があることが分かり、粘性多糖類をベースとした超親水性溶液の開発に成功した。現在、天然原料由来で人体に影響の無い超親水性溶液の特許を申請。同時に製品化を目指し、様々な可能性を模索中である。
新しい芽を育てたい
都市エリア産学官連携促進事業やバイオ産業クラスター推進事業など様々な活動や研究への取り組みを通じ、ジャンルは違えども、今までのノウハウが広く活用できることを実感したと言う布村社長。専門分野の建設関連にとどまらず、地域活性化のためにあらゆることに協力していきたいとも。そのために、可能性を見出し取り組む熱意のある人材育成にも力を注いでいる。社員には、長期的な観点から、異業種間交流や研究会などビジョンが広がる場やチャンスを与えることを心がけているという。個人のスキルアップが将来的には社に活かされ、さらには地域にも活かされると考えるからだ。
また、研究・開発を進めているガゴメ昆布の可能性を研究で終わらせることなく、世間から認められる函館の新しいカタチの水産業・観光産業のひとつとして地域で育てていきたいという。地域企業と協力しながら産業として確立できれば、雇用の場も増え地域を盛り立てることに繋がっていくはずだと、布村社長は力強く語ってくれた。
技術にこだわり、地域に貢献する、総合建設コンサルタントから総合技術コンサルタントへと成長を続けるノース技研の今後の活躍が楽しみである。 |