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2019年度北海道立工業技術センター研究成果発表会開催
日 時:2019年5月23日(木)13:30~17:00
場 所:フォーポイントバイシェラトン函館
参加者:146名
5月23日(木)にフォーポイントバイシェラトン函館において工業技術センター研究成果発表会を開催しました。三浦センター長の開会挨拶に続き、企業や大学との共同研究などの成果8題を発表しました。発表会では、同時にコンブ調理品、レトルト焼きホッケ、秋サケ刺身の試食品、呼吸トレーニングマスクの紹介、食品用の冷凍技術に特化した新しいブライン凍結装置の紹介や(地独)北海道立総合研究機構 食品加工研究センターの「うま味強化チーズ製造のための独自乳酸菌の探索・選抜」に関するポスターの展示を行いました。来場の皆様からは多くの質問や貴重な意見が寄せられ、今後の研究開発に生かされることが期待されます。引き続き開催した交流会にも、多数の皆様にご参加いただき、活発な情報交換が行われるなど、研究成果発表会は盛会裏に終了しました。
*****研究成果発表会プログラム*****
1.道産カボチャ冬季安定供給のための貯蔵実証の取り組み
鳥海 滋(食産業技術支援グループ) 大久保彰之(一般財団法人北海道食品開発流通地興)
市場から国内産カボチャが品薄になる冬季に、道産カボチャを流通させるための貯蔵実証実験を行いました。その戦略や、貯蔵中のカボチャの成分分析結果など、厚沢部町カボチャ生産者・流通業者らと連携した取り組みを紹介しました。
2.春採り真昆布の健康機能性に関する研究開発
木下康宣(食産業技術支援グループ)
近年、食を通した健康増進への関心が高まりをみせています。本発表では、道南産真昆布について、最近明らかになった健康機能性に係る知見及び、北海道庁が創設した健康志向ブランド「ヘルシーDo」の認定商品開発に効果的な利用加工技術を紹介しました。
3.「痩せウニ」の付加価値向上を目的とした人工餌料の開発の取り組み
清水健志(食産業技術支援グループ) 今村聖祐(株式会社北清)
近年、道南地域の海域では、天然海藻の減少に伴い身入りの悪い「痩せウニ」が増えています。そこで本研究では、短期蓄養による「痩せウニ」の身入り改善を目的とした人工餌料の開発に取り組んだので紹介しました。
4. スラリーアイスの冷却効果を利用した冷凍刺身商材の開発
吉岡武也(食産業技術支援グループ) 稲田孝明(産業技術総合研究所)
急冷効果を持つスラリーアイスを予備冷却に応用して、地域の漁業者、出荷業者が連携して高品質なシロザケ冷凍刺身商材を開発しました。技術の普及を目的とした様々な条件での魚体冷却効果の伝熱シミュレーションを行いました。
5.食品用ブライン凍結装置の実用化にむけた取り組み
小林孝紀(応用技術支援グループ)
開発した食品用ブライン凍結装置の実用化に向けて、食品の冷却プロセスの検証による評価を行い、ブライン冷却条件を最適化しました。本発表では、実施した取り組みについて報告しました。
6.AI会話アプリを活用した町内活性化サポートシステムの研究開発
松本陽斗(ものづくり技術支援グループ) 前多良則(株式会社コムテック2000)
少子高齢化が進む現代社会では高齢者向けIoTサービスの需要が高まっていますが、多くの課題があります。その課題解決に向けて、AI会話アプリを用いた町内声掛けサポートシステムの開発及び検証を実施しました。本発表では、その内容について報告しました。
7.水素吸蔵合金アクチュエータを用いたビニルハウス側面開閉装置の開発
松村一弘(ものづくり技術支援グループ) 吉田 晋(東光電機工業株式会社)
ビニルハウスでは側面・褄面・天面などに設置した換気窓を開閉して温度調節を行いました。ハウス内の温度変化をエネルギーとして、側面窓を無電源で自動開閉する水素吸蔵合金アクチュエータを用いた装置の開発について報告しました。
8.地域資源を活用した戦略的研究開発 ~地域資源の見方・活用の考え方~
下野 功(応用技術支援グループ)
近年、多くの市町村では、地域資源を活用した新製品の開発及び新産業の創出を産業振興の基軸として取り組み、当センターでも事業の重点項目としてこれを支援しています。本発表では、軽石とホタテ貝殻を事例に、地域資源の見方・活用の考え方について考察しました。
(写真)研究成果発表の様子
(写真)試食・展示等の様子