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令和元年度事業計画から

北海道立工業技術センターでは、地域企業の技術の高度化や新製品の開発を支援するため、研究開発、試験分析、技術相談、研修、技術情報提供、広報、函館地域産業化支援などの事業を行っています。今回は、令和元年度実施予定の事業計画の中から研究開発事業、(高度技術開発・応用研究事業)のテーマをご紹介します。

 

研究開発事業(高度技術開発・応用研究事業)

北海道と函館市の補助を受け実施する研究開発事業は、地域企業の技術の高度化、新製品の起業化及び地域ニーズに即応した先端技術分野における応用技術の研究開発を推進することを目的としており、研究開発期間は、3~4年を目途としています。

 

分  野:ものづくり技術支援グループ
実施年度:平成29年度~令和元年度
テーマ:水素吸蔵合金アクチュエータの性能向上に関する研究
概  要:水素吸蔵合金アクチュエータ(以下、MHアクチュエータ)は、作動媒体に水素を用いる流体力アクチュエータの一種であり、放熱や加熱によって水素を可逆的に吸蔵・放出する水素吸蔵合金(以下、合金)を駆動源に用いている。本研究では、MHアクチュエータの性能向上を目指す。

 

分  野:ものづくり技術支援グループ
実施年度:令和元年度~令和3年度
テーマ:生産情報収集のためのIoT及び関連技術に関する調査研究
概  要:インダストリー4.0の提唱等により、生産情報の電子化に関する重要度が高まっている。しかし、地域の中小企業においては、コスト等の理由から、データの収集や管理を行うシステムの導入・開発を行うことが困難である場合が多い。本研究では、生産情報の標準化を目指し、データ収集項目や端末等に要するシステム要件の検討・策定を行う。

 

 

分  野:ものづくり技術支援グループ
実施年度:平成30年度~令和2年度
テーマ:スパッタ法による薄膜作製技術の研究
概  要:地元企業が開発した卓上型スパッタ装置を用い、酸化物、窒化物といった材料について成膜条件の検討を行う。次に、成膜条件と薄膜構造及び光学的特性との関連性を評価する。その後、スパッタ法の特徴を把握し、薄膜の特性向上を図ると共に、函館地域の光学部品を製造する企業への応用展開について検討する。

 

 

分  野: 応用技術支援グループ
実施年度:令和元年度~令和3年度
テーマ:導電性セラミックス材料を強化材とした複合材料の開発
概  要:放電加工が可能な導電性セラミックス材料を強化材とした、生体材料系金属基の複合材料開発を目的とし、粉末冶金法を用いた傾斜機能材料を試作し、医療用代替材料としての特性である強度、靭性、耐摩耗性、生体内安定性を中心とした評価を行うと共に、これらの材料の加工条件について検討する。

 

 

分  野:応用技術支援グループ
実施年度:平成29年度~令和元年度
テーマ:耐寒冷地高分子材料開発のための調査
概  要:高分子材料は日用品から先端産業まで使用されているが、北海道の気候を考慮した寒冷地専用の樹脂はほとんど見られない。既存高分子材料の使用環境や種類、対応年数を調査し、経年劣化以外の寒冷地特有の塩凍害劣化について調査、計測し本経常研究以降の寒冷地対応の高分子開発につなげる。

 

 

分  野:応用技術支援グループ
実施年度:平成29年度~令和元年度
テーマ:地域水産素材の高度乾燥技術に関する研究開発
概  要:昆布の収穫時期は約2か月半と短く、この期間中に収穫した昆布の状態・品質が著しく変化し、これに伴い昆布の乾燥状況も影響を受けるが十分把握できていない。昆布乾燥での省エネ化や省力化の検討に必要な乾燥期間全域での状況把握と、乾燥操作や作業方法などの指標を構築する。

 

分  野:食産業技術支援グループ
実施年度:平成29年度~令和元年度
テーマ:食品の微生物危害迅速評価技術の実用化検討
概  要:食品品関連企業に向けて試作した迅速細菌検査法マルチ蛍光スペクトル分析FISHFCシステムを食品製造企業に持ち込み、現場での妥当性やニーズを調査する。また、培養併用FISH法による迅速な酵母定量法を開発し迅速正確な酵母を含めた真菌定量法を構築する。

 

分  野:食産業技術支援グループ
実施年度:平成29年度~令和元年度
テーマ:水産物のにおい発生機序に関する研究開発
概  要: コンブ、イカ等をモデルとし、GCMSを用いてにおい成分分析と官能評価を行い、加工や品質劣化にともなうにおい成分の変化を定量的に評価し、他の水産物にも共通する基礎データを得る。また、前処理や抽出・濃縮、GCやGCMSの分析条件を検討して、分析方法を確立する。

 

分  野:食産業技術支援グループ
実施年度:平成29年度~令和元年度
テーマ:地域特産物からの有用種の作出に関する研究開発
概  要:マコンブやマルメロを試料として用い、表現形の違いから有用種の可能性がある個体を探索し、それぞれの遺伝子情報を利用した簡易な選抜技術を開発するため、個体の識別や核酸クロマトグラフ法に利用できる遺伝子情報の取得について検討する。

 

分  野:食産業技術支援グループ
実施年度:平成30年度~令和2年度
テーマ:栄養知覚情報を活用した地域食資源の利用性向上に係る研究
概  要:食品には、体を作りエネルギーを生み出すための栄養機能(一次機能)、味や香りなどの嗜好性を満たしてくれる感覚機能(二次機能)、体の調子を整えて健康状態を良好なものにしてくれる生体調節機能(三次機能)があると言われている。この内、本研究では一次・二次機能に係る知見集積を進め、それが利用加工の場面で受ける影響を理解することによって、これまでに気付いていない魅力・価値を整理・提案する。

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