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食関連産業における新商品開発経費(道立研究機関における機器整備)により導入された機器のご紹介
【機器名】超高速液体クロマトグラフ
【型 式】Aquity UPLC-Class PLUS system
【用 途】高速液体クロマトグラフ(HPLC)の一種で、微細な粒子の分離カラムを用いることにより、従来のHPLCよりも短時間で精度の良い食品微量成分の定量を行う。
【機器名】ガスクロマトグラフ
【型 式】アジレント 5977B シリーズGC/MSD
【用 途】食品成分等のうち、熱に安定で気化しやすい化合物の同定・定量に用いる分析機器。食品の脂肪酸や炭化水素、アルコールなど様々な成分の分析に用いる。
【機器名】高温高圧調理殺菌試験機
【型 式】RCS-40RTGN
【用 途】レトルトパウチや缶等の容器に密封した食品を100℃以上の熱水または蒸気で殺菌処理するための装置。含気包装品の殺菌に対応した温度圧力制御機能を有している。
【機器名】ハイパースペクトルカメラシステム
【型 式】FX17
【用 途】対象物の反射光を波長ごとに細かく分解し、それぞれの強度や分布(スペクトル)を撮影することができる機器。食品の加熱加工状況や表面状態の評価等に利用できる。
【機器名】低温恒温恒湿装置
【型 式】PL-4J
【用 途】所定の温度(-40~100℃)・湿度(20~98%)条件を精度良く制御出来る環境装置。食品などの保存試験や、機械装置・機械電子部品など動作評価などを行うことができる。
【機器名】レーザー回折式粒度分布測定装置
【型 式】MT3300EXⅡ-HP
【用 途】粉体の粒子サイズとその分布状態を測定する装置。ほぼすべての工業用粉体の体積・個数・メジアン径など種々の粒度分布統計処理が可能である。食品粉末、土砂、微小粒子状物質(PM)も測定できる。
【機器名】ワイヤレス温度ロガー
【型 式】TSPロガーPRO3G
【用 途】無線通信機能を有したワイヤレスタイプの温度測定機器。耐熱・耐圧・防水仕様であり、レトルト殺菌等の過酷な環境下での温度測定に使用することができる。
【機器名】可搬型蛍光X線分析計
【型 式】VANTA(Mシリーズ)
【用 途】金属、土石元素を検出する定性元素分析器で、機械金属分野だけでなく、食品加工分野においても、製造品管理や品質保証、食品トレーサビリティ、異物検査などに用いることができる。
【機器名】ニードル式酸素計
【型 式】FireSting 酸素モニター(4ch)
【用 途】気相および水相中の酸素濃度を測定するニードル式の酸素計。酸素センサーは4本まで接続でき、外部温度センサーを用いることで温度補正をしながらリアルタイムに酸素濃度が測定できる。
【機器名】分光測色計(ハンディタイプ)
【型 式】CM-700d
【用 途】食品等の色調を測定し、その特性を解析する装置。400~700nmの可視光領域の分光分析・解析ができる。ハンディタイプのため、生産現場での使用が可能である。
【機器名】水分活性測定装置
【型 式】LabMASTER-aw NEO
【用 途】食品の保存性・殺菌条件の指標となる水分活性値を測定するための装置。測定方式は電気抵抗式であり、アルコール含有(20%まで)試料の測定にも対応している。
【機器名】超低温冷凍庫
【型 式】DW-86L490NF
【用 途】微生物や食品などの試料を超低温(約-80℃)で保存する。本機器により、微生物は生きたままの状態で数年以上保存でき、食品試料においては化学成分の変質を防ぎ品質を高度に維持することができる。
【機器名】超低温フリーザー
【型 式】UD-90L534WNF
【用 途】各種試料を-80℃の超低温下で保管する装置。一般的に利用される-20℃程度の冷凍温度帯では抑えられない生化学的性状変化等を抑制する必要がある試料の保管に用いる。
【機器名】微量高速冷却遠心機
【型 式】himac CF16RN
【用 途】0.2ml試料容器(微量用)を使用して遠心分離処理をするための装置。冷却機能を有するため、試料の揮発や熱変性等を抑えながら遠心分離ができる。主に分析サンプルの調製に使用する。
【機器名】多本架遠心機
【型 式】model4200
【用 途】高速回転により生じる遠心力を利用し、試料液に含まれる比重の異なる物質(固体と液体、水と油等)を分離するために用いられる。多数の小容量(15、50mL)遠沈管を同時に処理することができる。
【機器名】超純水製造装置
【型 式】Simplicity UV
【用 途】各種微量成分の定量分析に使用する純度の高い水を製造する装置。イオンクロマトグラフ分析、全有機炭素分析、ガスクロマトグラフ質量分析などの試料調整や装置の洗浄メンテナンスなどに用いる。
令和3年度事業計画から
北海道立工業技術センターでは、地域企業の技術の高度化や新製品の開発を支援するため、研究開発、試験分析、技術相談、研修、技術情報提供、広報、シーズ活用支援事業などの事業を行っています。今回は、令和3年度実施予定の事業計画の中から研究開発事業のテーマをご紹介します。
研究開発事業(高度技術開発・応用研究事業)
北海道・函館市・北斗市・七飯町の補助を受け実施する研究開発事業は、地域企業の技術の高度化、新製品の起業化及び地域ニーズに即応した先端技術分野における応用技術の研究開発を推進することを目的としており、研究開発期間は、2~3年を目途としています。
テーマ:地域産業のロボティクス最適化モデルに関する調査研究
分 野:ものづくり技術支援グループ
実施年度:令和2年度~令和4年度
概 要:地域の製造業におけるロボット導入の促進と生産性向上やロボット産業参入企業の技術力向上を目的とし、ロボット導入後の改善負担軽減に寄与する検討手順や指標等の最適化について、ハンドリング技術を事例にした指標等に関する調査及び実験的検証を行う。
テーマ:生産情報収集のためのIoT及び関連技術に関する調査研究
分 野:ものづくり技術支援グループ
実施年度:令和元年度~令和3年度
概 要:地域企業の生産性向上や生産管理業務の効率化を目的とし、各企業での生産管理内容の調査などによる生産管理項目や管理方法の標準化と、生産情報のデジタル化に向けたデータ収集手法や管理手法などのシステム構築に関する調査及び検証を行う。
テーマ:導電性セラミックス材料を強化材とした複合材料の開発
分 野:応用技術支援グループ
実施年度:令和元年度~令和3年度
概 要:放電加工が可能な導電性セラミックス材料を強化材とした、生体材料系金属の複合材料開発を目的とし、粉末冶金法を用いた傾斜機能材料を試作し、医療用代替材料としての特性である強度、靭性、耐摩耗性、生体内安定性を中心とした評価を行うと共に、これらの材料の加工条件について検討する。
テーマ:スパッタ成膜技術に関する研究
分 野:応用技術支援グループ
実施年度:令和3年度~令和5年度
概 要:地元企業が開発した卓上型スパッタ装置を用い、酸化物、窒化物といった薄膜について成膜条件の検討を行う。次に、成膜条件と薄膜構造及び光学的電気的特性との関連性を評価する。スパッタ法の特徴を把握し、スパッタ薄膜の特性向上を図ると共に、函館地域の電子部品や光学部品を製造する企業への応用展開についても検討する。
テーマ:食関連材料の高度冷凍技術に関する研究開発
分 野:応用技術支援グループ
実施年度:令和2年度~令和4年度
概 要:地域資源である水産物の最適凍結手法の確立や水産加工品の品質保持、長期保存安定性確保による付加価値向上を目的とし、急速凍結と通常の緩慢凍結に関する凍結機構や凍結装置の現状、凍結評価方法を調査し、モデル食材での凍結及び解凍について検討するなど、総合的な評価を行う。
テーマ:地域海藻素材の高度加工技術に関する研究開発
分 野:応用技術支援グループ
実施年度:令和2年度~令和4年度
概 要:函館真昆布のだし抽出特性を向上させる保管条件や加工技術の指標構築を目的とし、工業的なだし抽出における品質ニーズや抽出条件の整理、評価のための抽出条件や評価方法の検討、長期保管昆布のだし品質変化の評価、異なる昆布種や風味加工条件の違いによる抽出だし特性変化の評価を行う。
テーマ:地域資源を活用した発酵食品の高付加価値化
分 野:食産業技術支援グループ
実施年度:令和2年度~令和3年度
概 要:国際競争力を持つ低コストで個性的なチーズ開発を目的とし、従来と異なる特長を有する新たな道南産チーズスターターの開発に向けて培養調整法を確立し、チーズを試作して熟成における風味に関する成分分析等を行い有効性を評価する。また、その結果を基に新たなチーズ商品開発を支援する。
テーマ:地域食品素材の機能性活用に向けた研究開発
分 野:食産業技術支援グループ
実施年度:令和2年度~令和4年度
概 要:地域食品企業のヘルシーDo等の認定を目指し、コンブやアカモクに含まれるフコキサンチンの抗肥満作用等を活用するため、収穫地域や時期等による含量の違いを調査し、原材料の一次加工方法の検討や、加熱、乾燥、粉砕等の基本的な加工工程による成分量の変化の研究などの基礎的な知見を集積する。
テーマ:地域資源に特異なDNA塩基配列の探索・利用技術の開発研究
分 野:食産業技術支援グループ
実施年度:令和2年度~令和4年度
概 要:当センターが開発した、函館産マコンブを海外産と識別するDNA分析技術について、地域資源であるダルスをモデルにDNAを抽出し、塩基配列の解読や他地域産との比較解析により地域資源に特異な(他とは異なる)塩基配列を探索し、産地識別等が可能なDNA分析技術の開発を検討する。
テーマ:凍結技術を活用した道産海藻資源の高価値化に関する研究開発
分 野:食産業技術支援グループ
実施年度:令和3年度~令和5年度
概 要:これまでに行ってきた様々な研究から、コンブが持つ粘性物質には舌上における呈味成分の保持効果があること、また、こうした粘性物質は凍結条件により産生量が変化する可能性があることがわかっている。そこで、本研究では、凍結条件が地域海藻資源の品質に及ぼす影響を詳細に検討することにより、新たな優位性の高い独自技術の開発を進め、その普及啓発を図ることを目的とする。