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平成22年 6月号

平成22年度事業計画から

北海道立工業技術センターでは、地域企業の技術の高度化や新製品の開発を支援するため、研究開発、試験分析、技術相談、研修、技術情報提供、広報、函館地域産業化支援などの事業を行っています。
今回は、平成22年度実施予定の事業計画の中から、研究開発事業、函館地域産業化支援事業及び研修事業のテーマをご紹介します。

研究開発事業

区 分 分 野 テ ー マ 実施年度
研究開発事業 機械電子技術 水産食品製造業における工学的インプルーブの適用に関する研究 H20〜22
水産・海洋産業向け水中無線通信技術の研究 H22〜24
工業材料開発 傾斜機能耐磨耗工具材料の開発 H21〜23
農水畜産系高分子のリサイクル技術の開発 H20〜22
装置技術 真空を応用した光機能材料の薄膜プロセスに関する研究 H21〜23
食品水分状態を指標としたドライシステムに関する研究開発 H20〜22
バイオテクノロジー 生物情報の有効活用と地域バイオマス資源の高付加価値化に関する研究開発 H20〜22
農水産資源の素材を活用した商品化に関する研究開発 H20〜22
食品技術 分子生物学的手法を利用した水産食品等の品質評価技術に関する研究開発 H20〜22
素材特性を生かした地域水産資源の高付加価化に関する研究開発 H21〜23
地   域 機械部品の超精密加工技術に関する産業化支援研究 H21〜22
機能性探索による地域食品素材のブランド力向上のための研究開発 H21〜22
近赤外分析による地域食材及び加工食品の品質評価技術の開発 H21〜22

注)地域=地域産業化支援事業 : 地域における産学官の連携により、大学や北海道立工業技術センターの技術シーズの地域企業への移転を促進し、新製品や新事業の創出を図ることを目的とした事業

研修事業

区 分 分 野 テーマ 開催日 定員
一般技術研修 短期 共通 研究成果発表会 6月11日 80名
バイオテクノロジー 第9回食品・バイオ技術講習会「機能性食品・化粧品のマーケティングをいかに行うか?」 9月27日 40名
食品技術 第2回食品技術研修会 6月 2日 40名
機械電子技術 「中小企業における生産管理と改善手法」 8月24日 20名
材料開発 材料技術研修会 未  定 30名
プロセス技術 食品加工プロセスの研修 未  定 20名
個   別 共通 食品の加工・品質評価、工業材料・部品等の試作・評価、測定・試験用機器の活用方法等の個別的な技術ニーズに対応 随   時

注)開催を予定している研修会については、今後、テーマ名並びに実施時期が変更になることがあります。なお、「個別」は、個別技術研修の略です。

こんなことができます

食品の破砕ができます
フードカッター
基本使用料(最初の1時間)2,400円、2時間目以降(1時間毎)10円(それぞれ税込み)

フードカッターは、回転するナイフなどにより食品の破砕を行う装置の総称です。当センターのフードカッターは、サイレントカッターとも呼ばれる装置です。サイレントカッターは、回転する皿の上に原料を載せ、順次、回転刃に投入してゆく汎用機で、ハム・ソーセージなどを加工する食肉工場、魚肉すり身を加工するかまぼこ工場など、広く食品の加工全般で使用されています。これらの工場では、枝肉、ミンチ肉や冷凍すり身などの破砕、混合、練りなどの目的で用いられます。
当センターの所有機(花木製作所 FC-2)は、皿の直径が367mm、容量5リットルの小型機で、小規模の試作や実験に使用されるものです。3枚刃が1000rpmで回転し、1〜3Kgの原料を比較的時間をかけて処理することができます。
魚肉のすり身、かまぼこなどの水産加工の他にも、餃子やコロッケなどの農産加工も含めて、幅広い分野でご利用いただけます。
(写真左)フードカッター本体 (写真右)カッター部

お知らせ

「平成21年度の業務報告」が完成

 北海道立工業技術センターの平成21年度の活動状況をまとめた「北海道立工業技術センター業務報告」ができました。若干の残部がありますので、ご希望の方は総務部総務課へご連絡ください。無料で提供しています。(℡0138-34-2600)

トピックス(H2206)

海外出張報告 〜IBIC2010での成果公表及び関連技術調査〜

研究開発部 プロジェクト推進科 科長 小西靖之

都市エリア事業及び知的クラスター創成事業にて明らかにした畜肉をモデルに、食品内部水分を指標とした食品品質設計技術の成果を報告し、同じ取組みをしている研究者からの意見を求めるとともに今後の研究開発に関連する情報収集を目的に、食品工学分野の国際会議Industrial Biotechnology International Conference (IBIC2010)に参加しました。

国際会議IBIC2010は、イタリア化学工学会AIDICの主催で5/11〜5/14のイタリアのPadua大学で行われました。AIDIC関連の国際会議は、2003年及び2009年のInternational Conference on Chemical and Process Engineering以来3回目の参加であり、「Process engineering and innovative downstream processing」セッションの座長(Chair parson)も務め、国際会議運営協力者(Participants)として登録されています。
今回は、食品中の水分状態とNMR解析で得られたパラメータを併用することにより、今まで明らかにすることが難しかった乾燥製品の品質や特性の明確化についての新たな手法に関するもので、評価素材畜肉ジャーキーについての研究結果を「Challenge to the Food Engineering Due to a Hybrid Method of Chemical Engineering-Proton NMR Technique(-Meat Jerky Design by the Scientific Parameters-)」のタイトルで報告しました。関連分野の研究者からはNMR解析と水分状態解析のそれぞれの解析方法や複合解析に関する多くの問い合わせがあり、有意義な意見交換と今後の参考情報を得ることができました。
(写真左)ポスター発表をした小西科長 (写真右)シンポジウム会場 Padua大学

平成22年度北海道立工業技術センター研究成果発表会及び 函館マリンバイオクラスター・フォーラム2010開催

6月11日(金)函館国際ホテルで工業技術センター研究成果発表会及び地域イノベーションクラスタープログラム(グローバル型)函館マリンバイオクラスター・フォーラム2010を開催しました。
午前に開催した「北海道立工業技術センター研究成果発表会」では、三浦センター長の開会挨拶に続き、企業や大学との共同研究などの成果5題を発表し、会場の後方で道産大豆タマフクラの試食も行いました。今年度の発表会には、約130名が参加し、質問や討議が活発に行われました。
発表演題と発表者は、下記のとおりです。

1 味覚センサによるイカ塩辛の呈味評価と市販品のマッピング
鳥海 滋(バイオテクノロジー科)
2 農商工連携による道産大豆タマフクラの利用に関する取り組み
清水 健志(食品技術科) 工藤 哲也(㈱だるま食品本舗)
3 ホタテ貝殻を利用した融雪剤の開発と製品化
下野 功(材料技術科)
4 水素吸蔵合金アクチュエータを利用した函館港の海水交換装置に関する検討
松村 一弘(機械電子技術科) 宮武 誠(函館工業高等専門学校)
5 無機ELシートの三次元成形に関する研究開発
菅原 智明(プロセス技術科) 小西 光太郎(㈱函館セコニック)

(写真左)工業技術センター長 三浦汀介 (写真右)研究発表の様子

道産大豆タマフクラの試食

午後に開催した「函館マリンバイオクラスター・フォーラム2010」〜UMIのグリーン・イノベーション〜では、特別講演に続き4本の研究テーマの成果と計画の紹介をしました。フォーラムには約200名が参加し、引き続き開催した交流会でも産学官の参加者が熱心に情報交換を行うなど、盛会のうちに終了しました。
発表演題と発表者は、下記のとおりです。

【特別講演】
「水産資源の変動性と持続可能性」  東京大学大学院農学生命科学研究科 教授 青木一郎

【研究成果と計画】
海を生産システムにする「UMIのグリーン・イノベーション」の一端を紹介

1 資源探索と持続性生産:海の宝を見つけてグリーンに生産
北海道大学大学院水産科学研究院 准教授 安井 肇
2 高機能化:海の宝に磨きかけたグリーンな産業用素材
北海道大学大学院水産科学研究院 教授 宮下 和夫
3 計測・予測:宝を産み出す海の生産システムのグリーンモニタリング
北海道大学大学院水産科学研究員 教授 齊藤 誠一
4 ブランド化:海の宝を世界に届けるためのグリーン戦術
北海道立工業技術センター食品技術科 清水 健志
プロセス技術科長 高村 巧
(写真左)来賓の函館市長 西尾 正範 氏 (写真右)特別講演 青木 一郎 氏

研究発表の様子

研修会開催 安心・安全を確保する食品工場の設計・レイアウト管理

日 時:平成22年6月2日(水)
講 師:大和ハウス工業㈱営業本部建築事業推進部食品施設支援グループ
課長 加代 隆義 氏
参加者:28名
安心・安全を確保する食品工場は、どんな設計思想でレイアウトを決めているか? そしてその工場はどんな手法を使って管理され、危害を排除できるか? といった課題について、研修会を行いました。研修会の前半は主に工場のハード面からの課題の解決方法を、後半は、食品衛生法、ISO22000などを中心に工場管理というソフト面から講演していただきました。
(写真左)講師 加代 隆義 氏 (写真右)研修会の様子

「科学・技術フェスタin京都−平成22年度産学官連携推進会議−」に出展

科学・技術の重要性や産学官連携の成果をPR

開催日:平成22年6月5日(土)     場所:国立京都国際会館
「科学・技術フェスタin京都」に出展し、「函館マリンバイオクラスター〜UMIのグリーン・イノベーション〜」をテーマにポスター等を展示しPRしました。この展示会は、現在、政府で検討中の「グリーン・イノベーション」や「ライフ・イノベーション」などを柱とする「新成長戦略」をテーマとして取り上げ、産学官連携によるシーズとニーズのマッチング、高校生から一般向けの科学実験教室などが行われ、5,121名が参加しました。

財団法人函館地域産業振興財団ブースの様子

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テレビ会議の様子

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