Hitec newsHITEC ニュース
平成22年12月号
こんなことができます
有機酸を高感度で定量できます。
有機酸分析システム
基本使用料等の詳細については、お問い合わせください。
有機酸は食品に含まれる呈味成分(味に関与する成分)のひとつで、酢酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸など、発酵などにより食品中に生成されるとともに、pHや味の調整のために添加物として用いられたりします。
今回導入された有機酸分析システムは、有機酸を分析するための専用装置で、食品試料から抽出した有機酸を、BTBプレカラム法という方式により高感度で定量できます。
この装置は、平成21年度北海道地域イノベーション創出協働体形成事業(研究開発環境支援事業 味覚の数値化に基づく地域資源を活かした競争力のある食品開発を目指した測定手法の開発)で導入されたものです。この事業では、4種の道産食品の味を測定するマニュアルづくりも行いました。
食品の味を客観的に測定することは、食品の開発や品質管理に従事する人にとって究極の課題でした。今回、当センターと他の道立食品研究機関とが協力して、イカ塩辛、魚醤油、チーズ、食酢の味を、「味覚センサ」((地独)北海道立総合研究機構食品加工研究センター設置)という装置を使って分析を行うマニュアルを作成しました。当センターではこのマニュアルを用い、味覚センサと有機酸分析システム双方を活用して、市販のイカ塩辛約30検体の味の分析を行い、味の特徴が一目でわかるマップを作成しました。
※ご興味のある方、マップをご希望の方は、研究開発部 吉岡までご連絡ください。 電話 (0138)34-2600
トピックス(H2212)
北海道立工業技術センターと江陵原州国立大学東海岸海洋生物資源研究センターは、 マリンバイオ研究の交流に関する協定を締結しました。
8月26日(木)、北海道立工業技術センターと江陵原州国立大学東海岸海洋生物資源研究センターは、マリンバイオの研究に関する協定を締結しました。
【概要】
1 目 的
北海道立工業技術センター(Hokkaido Industrial Technology Center)と江陵原州国立大学東海岸海洋生物資源研究センター(Gangneung−WonjuNational University、East Coastal Marin Bioresources Research Center)とが行うマリンバイオ領域における研究活動(食と健康のグローバルスタンダード構築のための研究開発)の交流及び連携を推進し、相互の学術研究の一層の推進と地域産業の振興に寄与することを目的とする。
2 連携・協力事項
(1) 研究交流に関すること。
(2) 人材交流に関すること。
(3) 共同研究に関すること。
(4) 学術セミナー、会議への参加に関すること。
(5) 情報交換に関すること。
(写真左)江陵原州国立大学教授 趙舜栄先生
(写真右)超舜栄先生と三浦センター長
海外出張報告
〜第3回国際海洋バイオ産業に関するセミナー参加〜
研究開発部 主任研究員 吉岡 武也
食品技術科 清水 健志
8月26日(木)韓国江陵市の江陵科学産業振興院で行われた「第3回国際海洋バイオ産業に関するセミナー」に参加し、講演及び意見交換を行いました。韓国から慶北海洋生物産業研究院のWoo主任研究員、韓中大学校教授のJoo先生、日本から郡山女子大学教授の角野先生、北海道立工業技術センター吉岡主任研究員、食品技術科清水主任の5名が発表しました。吉岡主任研究員からは、地域イノベーションクラスタープログラム事業「函館マリンバイオクラスター」及び研究テーマ4「食と健康のグローバル・スタンダード構築のための研究開発」の研究内容について発表しました。また、清水主任からは、「食用コンブの種・産地判別技術の開発」と題して、研究テーマ4のサブテーマとして取り組んでいる「地域食品ブランドの信頼性・安全性の保障支援システムの研究開発」での研究内容及び成果について発表を行いました。
翌日、城南市にある韓国食品開発研究院(Korea Food research Institute :KFRI)を訪問しました。KFRIは、1988年に農水産業及び食品産業に関する技術促進を目的に建設された国立研究機関であり、各部署に研究室と分析室が配備されており、その他食品加工を行うプラント棟を完備している大きな研究施設です。世界各国の大学や研究機関と研究協定を結んでおり、日本国内での研究機関では、独立行政法人食品総合研究所、財団法人日本食品分析センター、酪農学園大学と協定を締結しているとの説明がありました。
今回の韓国出張で、我々が取り組んでいる「地域食品ブランドの信頼性・安全性の保障支援システムの研究開発」での海藻等の産地判別技術や食品の迅速細菌検査装置の開発に興味を持ってもらえたことは、韓国との今後の連携を深める上で非常に意義があったと考えています。
(写真左)セミナーでの発表の様子
(写真右)江陵科学産業振興院にて:左からHong主任研究員、清水研究員、吉岡主任研究員、Lee主任研究員、Kim主任研究員
函館国際マリンバイオシンポジウム2010開催
〜UMI(Universal Marine Industry)のグリーン・イノベーション〜
東アジア圏の持続的生産による高機能性資源の創出
その利用と製品化への取り組み 〜現状と展望〜
11月16日(火)ロワジールホテル函館にて、函館国際マリンバイオシンポジウム2010を開催しました。本シンポジウムでは、東アジア圏における高機能性海洋資源の持続的生産の研究・開発状況について、中国、韓国及び台湾の研究者から報告をいただき、日本での取り組みの報告と併せて東アジア圏の現状と今後の展望について討論しました。シンポジウムには約200名が参加し、引き続き開催した交流会でも産学官の参加者が熱心に情報交換を行うなど、盛会のうちに終了しました。今後、本シンポジウムを足がかりとして、より確かなグローバルネットワークの構築・強化を図っていきたいと考えています。
【基調報告】
●張 國勝 教授(中国 大連海洋大学)
「中国の増養殖業の現状と展望」
●齊藤誠一 教授(北海道大学大学院水産科学研究院)
「宝を産み出す海のモニタリングと環境予測システムの開発」
●申 宗岩 教授(韓国 国立全南大学校)
「韓国沿岸における大型海藻の増養殖の現状と展望」
●安井 肇 教授(北海道大学大学院水産科学研究院)
「函館で展開するバイオファーミングとマリンガーデンシステム」
●江 孟燦 教授(台湾 国立台湾海洋大学)
「台湾の水産物由来機能性食品の現状」
●宮下和夫 教授(北海道大学大学院水産科学研究院)
「北方沿岸生物資源の有効活用とその将来性」
●趙 舜栄 教授(韓国 江陵原州国立大学)
「産学官連携によるマリンバイオテクノロジーの技術革新体制」
−韓国におけるマリンバイオ製品の開発事例−
●吉岡武也 主任研究員(北海道立工業技術センター)
「地域水産資源の高品質化とブランドの確保」
【パネルディスカッション】
「東アジア圏の持続的生産による高機能性資源の創出、その利用と製品化への取り組み 〜現状と展望〜」
モデレーター : 函館マリンバイオクラスター
研究統括 北海道大学大学院水産科学研究院長 嵯峨 直恆
パネリスト : 張 國勝教授、申 宗岩教授、江 孟燦教授、趙 舜栄教授、
齊藤誠一教授、安井 肇教授、宮下和夫教授、吉岡武也主任研究員
函館マリンバイオクラスターの概要はこちらから
http://www.hakodate-marine-bio.com/index.html
展示会に出展「Bio Japan 2010」
●世界有数のバイオ国際コンベンション●
開催日:9月29日(水)〜10月1日(金) 場 所:横浜国際平和会議場(パシフィコ横浜)
(財)北海道科学技術総合支援センターが推進する北海道バイオ産業クラスターと連携して、北海道、札幌市、産業技術総合研究所北海道センター等の関係機関とともに、函館地域バイオ産業クラスターとして、北海道ブースに出展して、クラスター参画企業の製品を展示し、販路開拓支援活動を行いました。今回は、425の企業、団体が出展し、来場者数は延べ24,577名で、海外からも多数の来場者がありました。
(写真左)Bio Japan2010 会場の様子
(写真右)財団法人函館地域産業振興財団ブースの様子
「食品開発展2010」
●食品の健康志向、安全性探究の専門展示会●
開催日:10月13日(水)〜10月15日(金) 場 所:東京ビックサイト
「食品開発展2010」は、食品分野の研究開発、品質保証、製造技術担当者向けの専門展示会で、アジアで最大の技術展です。600の企業・団体が出展し、3日間の来場者数は延べ42,640名で海外からも多数の来場者がありました。当財団は、(財)北海道科学技術総合支援センターが推進する北海道バイオ産業クラスターとして、北海道ブースに出展して、クラスター参画企業の製品を展示し、販路開拓支援を行いました。韓国、中国の来場者からガゴメ昆布や活イカなどについて多数の質問がありました。