函館・道南では、地元の資源やオリジナルな技術を活用したユニークな企業が数多く活躍しています。
当ホームページでは、それらの企業を取材し、広く全国に向けて発信しています。
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↑社長 千葉 仁さん
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昭和28年(1953年)創業の、老舗菓子メーカー「天狗堂宝船」4代目社長 千葉 仁(昭和43年生まれ)さんにインタビュー。
天狗堂のお菓子で、一番のヒット商品は「きびだんご」(原料は水あめ、小麦粉、砂糖、他)。 函館で育った方には馴染みの深い、赤い包装紙に包まれたきびだんごです。現在では、コンビニやスーパーの半生菓子コーナーや駄菓子コーナーで、皆さんの目に触れています。
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本州の方がイメージする、岡山県のきびだんご(吉備団子)とは全く違うものです。こちらのきびだんごは北海道で生まれたお菓子で、屯田兵の携帯食としてうまれたのが発祥と言われています。【事が起きる前に備え、団結して助け合う】の意味を込めて「起備団合」と名付けられ、今では親しみを込めて「きびだんご」と呼ばれています。
天狗堂ではきびだんごの他、「くるみ餅」「がごめ昆布餅」等も製造しています。以前は飴玉や、カステラも製造していたそうですが、コンビニでのきびだんご等の販売が始まった頃を機に餅菓子専門になったそうです。過去には、きびだんごを作る会社は道内で数社ありました。今は天狗堂の他1社(道央栗山町に1社)しか製造しておりません。
北海道のお菓子といえば、首都圏のデパートでは大人気の商品です。きびだんご等は、北海道スイーツの大先輩とも言えます。現在、天狗堂の売上の65~70%は本州での売上で、コンビニエンスストア、スーパーマーケットやデパートでの物産展などで販売されているそうです。
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創立 |
1953年8月 |
代表者 |
社長 千葉 仁 |
住所 |
〒041-1133 亀田郡七飯町字中島205-1
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TEL |
(0138)66-3200 |
FAX |
(0138)66-3210 |
E-mail |
takarabune@tengudou.co.jp |
URL |
https://www.tengudou.co.jp/
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年商 |
3億4,000万円 |
資本金 |
1,000万円 |
▲天狗堂ヒット商品「きびだんご」
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甘く香ばしい匂いのする工場の中を見学させて戴きました。
ロールになっている、見慣れた赤い包み紙。
すべて機械化されているのかと思ったのですが、熟練のパートさんの柔らかく素早い手つきによる手仕事の工程も多くありました。社長のお話では、2000年頃に機械化したそうです。それまではずっと製造は手仕事でした。
函館に住んでいると、地元の商品が本州で売れているという事に意外に気がつかないものです。なにげなく目にする天狗堂の餅菓子が、本州の方にはもの珍しいのです。かといって珍しさだけで売れているのかというと、そうでもありません。原材料の一部にあんやもち粉が使われているので、全国的に馴染み易いお菓子に違いはありません。素朴な香りと甘味は、万人受けするところです。
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▲熟練パートさんによる手作業の様子
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社長から、心温まるお話を伺いました。
函館から本州へ引っ越したお客様から、天狗堂へ「包み紙を見て、昔を懐かしみました。」と、お手紙が届く事があるそうです。
天狗堂のきびだんごは、包装紙のデザインを変えていないそうです。乾燥を防ぐ為に、透明のピロー包装をかけてはいますが、包み紙のデザインは昔のまま。
地元を離れる方もたくさいる今日。函館のお菓子が、昔のままのデザインで本州のお菓子売り場に並んでいるのを見たら、とても懐かしいのでしょうね。社長も「このデザインはこれからも変えません。」と。
子ども時代は駄菓子コーナーでたくさんのお菓子に触れます。それが大人になるにつれてお菓子を食べなくなり、ふとした時に昔のままのデザインで売っているのを見つけたら、誰しも懐かしいものです。
「変らないもの」の温かさを感じました。
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▲機械の中からおなじみのきびだんごが大量に…
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伝統を守る一方で、新しい流れにも目を向ける天狗堂です。全国的に「北海道」というブランドの強さは、皆様がよくご存知です。本州での北海道物産展は、どこも大盛況です。天狗堂も「北海道」というブランドを謳える商品づくりに力を入れています。現在、お土産屋で販売されている「がごめ昆布餅」もそのひとつ。
平成21年(2009年)5月からは、ホームページからのネット販売も開始。また、天狗堂が工場を構える「七飯町」の特産品を使った商品も開発中。今までにない商品の開発を進めている天狗堂は、2012年頃から着手した、七飯町のりんごを原料とした「レアフルりんご」などの製品化をはじめ、その他の関連商品も開発中です。
変らない事の大切さと、新しい事への挑戦。温故知新の天狗堂です。同じ街に住んでいながら、全国で評価されている企業があるのだと知らずに過ごしていました。頑張っている地元企業の存在を知っていると、地元を「活気がない」「古くさい街」だなんて思わないでいられます。千葉社長のお話を聞き、大変勉強になりました。地元にも「挑戦する人」がいることを知り、誇らしい気持ちになりました。スーパーで見かけるきびだんごが、本州でも頑張っているだなんて嬉しい事です。赤い包み紙の桃太郎さんに、「お疲れ様です、これからも頑張ってください!」と頭が下がりました。
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▲「北海道」ブランドならではの商品
「がごめ昆布餅」
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