頑張っている企業HP

函館・道南では、地元の資源やオリジナルな技術を活用したユニークな企業が数多く活躍しています。
当ホームページでは、それらの企業を取材し、広く全国に向けて発信しています。

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(株)タイヨー製作所
水産のみならず幅広い加工機械を
社長 丸山 浩平さん
↑代表取締役 丸山 浩平さん
(株)タイヨー製作所は北海道の玄関、北洋漁業の基地、いかの街函館生まれの会社だ。昭和42年(1967年)創立の同社は、平成27年(2015年)に満50期目を迎えた。創業当初は、熱風乾燥装置のメーカーとして全道一円を販路としてスタートした同社は、今や全国、海外へも納入先を拡げるまでに成長した。この間、多くの先輩、在籍者の努力の結果、水産加工機械メーカーとして、イカ珍味加工プラント、鮭加工プラント、ホタテ加工プラントなど、魚貝類の諸加工機械を創意工夫のもとに開発してきた。

  現在では、水産のみならず農産・畜産など多岐にわたる食品加工機械の開発・製造・販売を行う全道屈指の食品加工機械メーカーとなった。

 平成9年(1997年)9月に、函館市昭和町から隣町の大野町(現:北斗市)の大野新道沿いの工業団地へと移転。

 業者のニーズを的確に捉え、販売だけではなく工場全体の機械の配置や生産工程までアドバイスするというコンサルタントとしての立場も確立している。
創立 1967年4月
代表者 代表取締役 丸山 浩平
住所 〒041-1221
北斗市清水川226-10
TEL (0138)77-1001
FAX (0138)77-1000
E-mail home@taiyo-seisakusho.co.jp
URL https://www.taiyo-seisakusho.co.jp/
従業員 55名
年商 10億円
資本金 2,500万円

本社事務所
▲本社事務所
 
最先端技術への取り組み
近年、多くの業界で生産コスト削減と深刻な人手不足から中国、東南アジアへの生産拠点のシフトが加速化しているが、水産・食品加工業界もその例にもれない。大手企業と中小の技術力・成長力の格差も一層はっきりしてきた。タイヨー製作所の客先も昨今は道内50%、本州30%、輸出20%と多極化が進んでおり、企業間競争もますます熾烈になっている。丸山社長は「人手不足で機械に対してのニーズは高くチャンスでもあります。しかしこれまで開発を続けてきた中で要望として残されている課題は難しいものばかりです。過去に挫折した開発案件も再チャレンジしています」と語る。同社は、北海道立工業技術センターとの共同研究も盛んに行い、会社を挙げて技術開発への取り組みに力を注いできた。
さらには近年水産以外の食品分野全般にも進出を始めている。平成28年(2016年)には道内の農協向けに大型の枝豆・インゲンの加工設備(一日150トンの処理能力)の納入を果たした。
枝豆・インゲンの加工設備 工場内の様子
▲枝豆・インゲンの加工設備 工場内の様子

枝豆設備
▲枝豆設備
 
主要製品の紹介
タイヨー製作所の主要製品の中からふたつの製品を紹介する。
(1) 除菌解凍装置
水産物の解凍技術は、多種多様な方法が開発されているが、それぞれに一長一短があり、ドリップ(冷凍食品を解凍するときに流れ出る液汁)、解凍ムラ、雑菌の増殖、異臭の発生などの問題が生じており、それら全てを解決することは不可能だった。そこで、タイヨー製作所では、原料の表面と内部の温度差を少なくして、低温で解凍することによりドリップを少なくし、原料の状態に合わせて均質な解凍を可能にすることで解凍ムラの問題を解消。除菌・防臭の問題にも新しい仕組みの空気清浄装置で対応し、新鮮さ、美味しさを損なわない解凍を実現した。
(2) 魚卵連続分離装置
従来、イクラの製造工程では、鮭・鱒の生筋子からの卵分離を手作業で行っていた。本装置は、生筋子を連続投入するだけで卵の分離が可能となったうえ、ライン化による作業の効率化による鮮度維持や細菌増殖抑制及び労働条件改善が生産業者から評価され、多くの賞賛の声が上がっている。
魚卵連続分離装置「FRS正面」
▲魚卵連続分離装置「FRS正面」

魚卵連続分離装置「FRS排出口アップ」
▲魚卵連続分離装置「FRS排出口アップ」

除菌解凍装置
▲除菌解凍装置
 
今後の展開
同社は水産加工機械の開発で培った技術と創意工夫の精神で、同じ「食」の分野である農産畜産等の食品加工機械の開発においても時代の流れ、業者のニーズに合致した加工機械を送り出してきた。
上記の枝豆・インゲン加工設備はその一例だ。
現在開発中のアクアクッカーは、過熱水蒸気と高温の水(微細水滴)を使った「旬の野菜の高品質一次加工」装置。その開発成果は北海道ものづくり大賞受賞(20年11月)、ものづくり日本大賞での北海道産業経済局長賞(21年8月)などに結実している。
大型連続機の納入も果たせ、今後はより一層の普及に取り組んでいる。
現社長の丸山浩平氏は令和元年の5月に父である先代社長よりバトンを引き継いだ。先代社長の経営理念「奮闘者不老」(奮闘スル者ハ老イズ)の考えを守り、新商品の開発による企業の発展、ひいては地域の発展を願っている。
旬の野菜の高品質一次加工装置「アクアクッカー」
▲旬の野菜の高品質一次加工装置「アクアクッカー」

タイヨー製作所の経営理念である「奮闘者不老」
▲タイヨー製作所の経営理念である
「奮闘者不老」