函館・道南では、地元の資源やオリジナルな技術を活用したユニークな企業が数多く活躍しています。
当ホームページでは、それらの企業を取材し、広く全国に向けて発信しています。
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↑船橋 敦子さん
元々ウニ加工を行っていた同社だが、ウニ漁が夏場に限られ、冬場の仕事が無くなる穴を埋めるため、前浜(内浦湾)で獲れるスケソウタラのタラコ加工に参入した。 同社はこの分野でも、持ち前の匠の技を発揮。できるだけ人工甘味料を使用しない、他社と同じ味ではない独自のものを創りたいという社長の強い思いが新たな商品を産み出した。
「株式会社 イリエ船橋商店」の場所を地図で確認できます。
そのきっかけとなったのは、たまたま町内にできた養蜂場であった。船橋社長はそこで作られる蜂蜜に着目。地元産のタラコと天然蜂蜜に北海道産の天然甜菜糖(テンサイトウ)と天然塩を加え、さらに道南特産のガゴメ昆布で熟成させた「海峡はちみつ明太子」を完成させた。
完成までの道は平坦ではなかった。せっかく思い付いた蜂蜜の利用だったが、甜菜糖と蜂蜜との配分がなかなか決まらなかった。その「黄金の配分」を見つけるまでに1年半の時間を要した。ガゴメ昆布の液に漬ける時間にも試行錯誤があった。ガゴメ昆布は粘りが強いため、長く漬けたら食べにくくなる。一方で短ければ味が滲みこまない。
このような悪戦苦闘の末に商品が完成した。日本で初となる蜂蜜入りの明太子は、平成23年の第55回函館圏優良土産品推奨会の最高賞である函館市長賞を受賞した。又、第52回(平成23年度)全国推奨観光土産品審査会において「海峡はちみつ明太子」と「海峡たらこ」が「推奨品」として合格した。
自らが作っている商品を、より良いものにしていきたいという飽くなき追究心が、偶然得た小さな情報を活かして、他にはない独自の製品作りを可能にしたことへの高い評価だったと思われる。
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創立 |
1992年4月1日 |
代表者 |
代表取締役 井上 千春 |
住所 |
〒041-1402 北海道茅部郡鹿部町字鹿部68 |
TEL |
(01372)7-2010 |
FAX |
(01372)7-2865 |
e-mail |
funabashisuisan@syd.odn.ne.jp |
従業員 |
14名 |
資本金 |
800万円 |
▲海峡はちみつ明太子
▲作業風景
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地域の素材を使った特産品開発に取り組む「鹿部町製品開発研究会」は、過去の駒ケ岳の噴火によって鹿部町近海に積み上がった軽石を有効活用する方法を模索していた。 研究会の方と船橋さんが町内の道端で偶然行き合い、相談を受け、共同研究会社としてイリエ船橋商店がプロジェクトに加わることとなったのがきっかけだ。
軽石干しは、九州の灰干しをヒントにして開発が始まっている。吸水性が非常に高いことで知られる軽石を、北海道立工業技術センターの協力も得ながら、魚をセロハンで包んだ後に軽石で挟む製法を確立した。手間暇のかかる工程だが、これにより魚の旨味を凝縮しつつ、干物特有の臭みが少ない、生魚のようなふっくらとした感触を再現している。
3年の研究・開発を経て、平成29年12月に販売を開始。品質の高さや地域一帯となった取り組みが評価され、平成30年には北海道新技術・新製品開発賞の食品部門 開発奨励賞を、令和元年には全国地域づくり推進協議会 会長賞を受賞している。
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▲ほっけの軽石干し
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